第31回 全国子どもとことば研究集会
【分科会3】
20日(日)9:30〜16:00

「おはなしを語り、紙芝居を演じる

助言者/

佐藤 千代子(児童図書館研究会)
森内 直美(紙芝居研究家・実演家)

世話人/

大内 勇樹(保育者)
藤田 朋子(保育者)

久津摩 英子(わらべうた実践家)


概要

 午前の部は佐藤千代子さんのおはなしの時間。レジメで配られた“いろいろな「おはなし」―今日のメニュー”を配られ、見てみるとどれも紙芝居や絵本などで絵のイメージができるおはなしが多くありました。驚いたことが、幼少期から海外の「おはなし」に出会える環境で育った佐藤千代子さんの話し方は、頭にある絵のイメージから離されるほど優しくも重さがありました。一つ一つのお話を聞くたびに少しずつ顔を前に出てくる参加者がほとんどで、世界に吸い込まれていくようなとても有意義な時間が流れていました。何もない場所からできる「おはなし」。覚えることは容易なことではないけれど、大切にしていきたいと感じさせられました。

 午後の部は森内直美さんの紙芝居の時間。目の前には黒布が敷かれた上に紙芝居の舞台があり、最初の言葉の中に、“紙芝居は芝居であり舞台がある、世界にも認められてきている文化財”というように、次々と想いがこもった紙芝居を演じられました。また森内直美さんから教えられた「紙芝居の演じ方」は、現場でとても役に立ち、「紙芝居に込めた作者のメッセージ」は胸を打つものばかりでした。紙芝居の文学性、芸術性が高い事を広めたい、そう感じさせる内容でした。


参加者の感想から

保育者になったら、子どもたちに「おはなし」の世界の楽しさを伝えたい!と思いつつ、まだまだ力不足を感じる日常を過ごしてきました。なかなか、このような研修に参加できる機会もないので、ひさしぶりに初心にもどりました。もう一度、心新たに、私自身も「おはなし」を楽しみ、子どもたちに伝えていきたいと思います。

紙しばいの良さについて、とても分かり、今の時代で子どもたちに人間の生の声で伝える心と心がつながることとして、私も紙しばいを子どもたちに読んでいこうと思います。作品選びのポイントもとても参考になりました。