「保護者支援〜保護者とのいい関係づくり〜」
世話人/小野崎佳代(東京未来大学特任教授・元保育園長)
工藤中乃(臨床発達心理士・元保育園長)
青木知子(保育士)
概要
43名の参加でした。
1歳児クラス担任の先生より、「噛みつきの事例を通しての保護者対応」という事例を発表していただきました。1歳児の「噛みつき」について発達の上で成長過程の一つと捉え、思いの表れとして受け止め、噛みつきが起こる状況を見直し、環境の工夫を図ってきたこと。一人ひとりの子どもの遊びや思いを丁寧に見てきたこと。大人の動き、子どもの動きを見直してきたことなど報告がありました。噛みつきがあった時に、保育園の責任として噛んだ子ども、噛まれた子どもの双方の保護者に謝罪し、状況や思いを伝えてきたことの報告がありました。会場から質問が出され、より具体的に答えていただきました。
その後8名から9名のグループに分かれ、グループ討議をしました。なぜ保護者支援の分科会を選んだかも含めて自己紹介をしてもらい、グループの中で話を進めました。皆さん積極的に話し合いに参加し、日ごろの悩みや保護者の様子が話されていました。日常的な連絡ノートの記述についての悩みや送迎時の様子、保護者の「子育ての大変さを理解してほしい、子育てに自信がない、自分の時間がほしい」などの本音を受け止めることについても話され、1時間のグループ討論はどのグループも話が尽きませんでした。それだけ保護者支援の難しさや重要性を感じました。休憩を挟んで午後はグループ討論の報告をしてもらい、世話人よりまとめを行いました。
保育士1年目の方から経験豊かな保育士、様々な職種・立場の方が集まって、それぞれ悩みや実践を話し合い、実り大きい分科会となりました。
参加者の感想から
●事例を通して、分かり易く、保護者対応、保育の工夫など具体的に実践されていることを知ることができ、またグループ討議も大変勉強になりました。園の先生たちにも資料を見せながら、共に学べたらと思います。
●保護者支援の難しさを感じているのは、自分の園だけではないことを知って、保育者の環境の厳しさを感じました。厳しさを感じるとともに、他の先生方も悩み、試行錯誤しているのを励みに自分も頑張ろうと思いました。
●多様化する保護者への対応について、それぞれ一つ一つを考えると行き詰ってしまいますが、基本はどこにあるのかと考えながらやっていくと、おのずと向かう方向は定まってくるのかなと思いました。基本に立ち返って学び直す努力をしていこうと思います。