「絵本・おはなし」
助言者/浜田桂子(絵本作家)
世話人/市川美代子(児童図書館研究会・科学読物研究会会員)
久津摩英子(わらべうた実践家)
斎藤和子(保育者)
概要
参加者の自己紹介の後、浜田桂子氏が大事にしていること、こんな風にして作品ができたこと、絵本として伝えたいことを語っていただいた。内容は、「絵を描くのが好きな子だった。親が褒めてくれたので2歳半ぐらいから『本のお絵かき屋さん』になりたいと思っていた。出産して子どもを授かったとき、自分のいのちを自覚した。自分が生まれたこと、生きていることは、自分の両親のいのちがこれから生まれる子どものいのちに繋がっていること。この厳粛な事実に思い至る。自分の心の軌跡として作ったのが、『あやちゃんのうまれたひ』だった」など。

午後は、『へいわってどんなこと?』(日・中・韓平和絵本)の絵本がどのようにして作られたかについて話してもらった。
●日本人が平和を発想するとき、自分たちが他国から受けた被害から発想するが、同時に日本が他国に何をしたかについては、反省していないのではないか。
●「平和ってこんなに素敵!たのしいよ!」と伝える絵本があればよいと思っていた。日本、中国、韓国の絵本作家に、「平和をテーマとした絵本を作りましょう」と呼びかけて、制作過程で現場を公開し連帯してつくった絵本である。
●子ども自身の決意としての文とした。平和って自分が生まれてよかったと思えること、大切な子だと自分が思えること、まわりのしあわせにつながっていることを伝えている。
科学絵本についても市川美代子氏より、体中が感性そのもののような幼児期に、人の心を扱う物語絵本、自然をテーマにする科学絵本、その両方が、子どもの心の豊かな成長に大切である、という話がされた。
参加者の声から
☆浜田さんのお話、とてもよかったです。絵本ができるまでのこと、読んでから心があたたかくなる理由もよくわかりました。自尊の念が少ないという日本の子どもたちの話は、痛切に心に響きました。子どもたちの前で浜田さんの本を読んであげたいと思います。
☆子どもたちひとりひとりに、「大好き」「あなたがいてくれることがうれしい」と伝わるように接していかなければいけないなと思いました。特に我が子には忙しさの中、イライラをそのままぶつけています。「大切だ」と伝えていかなくてはと思いました。今夜からはやさしくなれそうです。本当の平和がふくらみ、続きますようにと願います。