内 容
「発達のみちすじ」
〜自我の発達とコミュニケーション〜
 子どもは、内なるエネルギーとしての発達の原動力の発生や、その力強さに導かれて発達していきます。コミュニケーションの発達も主体的なものであり、子どもの自身の情動や人格の能動性なくして達成されません。たとえば自分の心に聞き、自分で選択しながら生きようとする自我の発達は確かでしょうか。自我の「たくましさ」は、仲間とぶつかりながら自分を調整し、仲間の思いを認め、力を合わせる「しなやかさ」につながります。そこには、自分を表現し、他社と心を通わすコミュニケーションの力が発達していきます。発達を広い視野と気長な見通しで見つめ、そのはたらきかけのあり方を考えたいと思います。

プロフィール
白石正久
龍谷大学社会学部教授。京都大学大学院・教育学研究科・後期博士課程指導認定退学、障害児の発達診断、障害児教育専攻。右京病院発達相談室、大阪電気通信大学などの勤務を経て、現職。

■著書
「子どものねがい・子どものなやみ」(かもがわ出版)
「発達の扉(上) 発達の道すじ」(かもがわ出版)
「自閉症児の世界をひろげる発達的理解」(かもがわ出版)
「障害児がそだつ放課後」(かもがわ出版)
「発達の扉(下) 障害児の保育・障害・子育て」(かもがわ出版)
「発達とは矛盾をのりこえること」(全障研出版部)
「発達をはぐくむ目と心」(全障研出版部)他。